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公文書管理委 緊急事態は議事録義務化
東京新聞 TOKYO WEB 2012年4月26日 朝刊
h)ttp://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012042602000100.html

 有識者でつくる政府の公文書管理委員会は二十五日、東日本大震災に関する政府の会議が議事録を残していなかった問題の再発防止策をまとめ、岡田克也副総理(公文書管理担当)に提言書を提出した。重大な被害が生じる自然災害などの「歴史的緊急事態」で政府が意思を決める会議は発言者と内容を含む議事録、議事概要の作成を義務付けた。事後作成の期限は開催から原則三カ月以内とした。

 提言は歴史的緊急事態に対応する政府の会議を、政策など政府の意思を決める意思決定型と政府全体で情報交換する事務事業型に分類。事務事業型の会議は、活動の進み具合や確認事項などの記録を求めるにとどめた。いずれの会議も当面の課題への対応を優先する可能性があるとして、原則として三カ月以内に記録をまとめればよいとした。

 政府は提言に沿って公文書作成指針を改定する方針。ただ、実効性の担保には課題が多い。

 歴史的緊急事態の判断には、閣議了解が必要とした。どの会議を「意思決定型」「事務事業型」に当てはめるかは公文書管理担当閣僚の裁量に委ねられるため、線引きにあいまいさが残る。

 新指針は、歴史的緊急事態の発生直後の対応とみなさない会議には適用しない見通し。現在、議事概要が公開されている関西電力大飯原発福井県おおい町)の再稼働に関する野田佳彦首相と関係三閣僚の会合は、新指針では記録の作成が不要と位置付けられる可能性が高い。

 会議が原則録音されておらず、専門の記録員がいないなどの運用態勢の改善も急務だ。

 岡田氏は委員会の会合で、閣議後に閣僚が自由に意見を述べる閣僚懇談会について「閣僚同士のやりとりがまったく記録に残らないのがいいのか、議論の余地がある」と、記録を残すことを検討する必要性を指摘した。