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MSN Japan産経ニュース
飯舘村住民、原発事故で集団賠償申し立てへ
2012.3.23 02:07
(h)ttp://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120323/dst12032302070002-n1.htm

 東京電力福島第1原発事故の損害賠償で、全域が「計画的避難区域」に指定されている福島県飯舘村(人口約6000人)の一部地域について、「原発事故被災者支援弁護団」と住民側が原子力損害賠償紛争解決センターへの集団申し立てを検討していることが22日、分かった。

 弁護団によると、申し立てを検討しているのは、村内で特に放射線量が高い長泥地区(71世帯約280人)の住民。今後、住民側と弁護団が個別に話し合い、集団申し立て参加の希望の有無を確認した上で、避難費用や精神的損害、生活費の増加分などの請求額を決めていくという。

 また、長泥地区は年間被曝(ひばく)線量が50ミリシーベルトを大きく超えると見込まれ、政府が今月末に行うとしている避難区域の見直しで、長期間帰宅が困難な「帰還困難区域」に指定される可能性が高い。政府の原子力損害賠償紛争審査会は同区域となる世帯について、土地や住宅を震災前の時価で全額賠償する方針を示しているが、弁護団は「村内の地価は都市部に比べて低く、全額が賠償されても他地域に家や土地を買うのは難しい」とし、不動産についても賠償の増額を求める。

 弁護団によると、集団申し立ての利点は、多数の世帯が水道代や光熱費など同一項目を請求することで、請求の必要性や合理性が認識されやすいことなどという。

 弁護団は25日に、村が役場機能を避難させている福島市内で住民説明会を開く。弁護団は「そもそも加害者である東電側が賠償額などを決めているのがおかしい。これを契機に村内に申し立てへの機運を高めていきたい」としている。

 原発事故の賠償を求める集団申し立てでは、福島第1原発が立地する双葉町が22世帯47人分の総額約4億5000万を請求。南相馬市小高区の住民546世帯約1900人も、申し立てに向け準備を進めている。

 ■原子力損害賠償紛争解決センター 福島第1原発事故の賠償をめぐり、東電と被害者側が合意できない場合に無料で和解を仲介する。政府の原子力損害賠償紛争審査会のもとに設置された。双方から事情を聴き、仲介委員の弁護士が和解案を示して3カ月をめどに解決する。強制力はない。