東電電気値上げ 

東京新聞
東電電気値上げ 断れる 
2012年3月20日 07時03分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012032090070324.html

 東京電力は来月一日から企業向け電気料金の平均17%引き上げを発表しているが、利用者が同社に値上げを了承しないと伝えれば、現在の契約期間内は現行料金が適用されることが分かった。この点について、東電は周知しておらず、批判の声が上がっている。

 今回、値上げの対象になるのは工場や事業所など契約電力が五十キロワット以上になる「自由化部門」の約二十四万件。家庭向けの「規制部門」と異なり値上げの際に国の認可は必要ない。

 東電は既に値上げを通知したが、大半の契約者(法人)の場合、一年更新の契約期間が残っている。値上げ通告に不満を抱く東京都世田谷区など一部契約者が、東電に説明を求めたところ、東電はこれらの契約者と「契約期間内は料金を据え置く」ことで合意した。

 同区によると、交渉の席上、東電は仮に契約者が値上げ通告に異議を伝えなかった場合は、値上げを了承したものとして扱うと説明したという。

 東電は一月に法人向けの値上げを決定。先月上旬送った文書では「新しい電気料金にご了承いただけない場合は、三月三十日までにご連絡ください」とのみ記載し、料金据え置きの可能性については触れていなかった。

 東電広報部の担当者は「契約途中での料金変更は、双方の合意なくして一方的にはできない。四月までに値上げの理解を求めたい」と話している。

 世田谷区の保坂展人区長は「契約が基本の『自由化市場』だが、東電は事実上の独占企業。『値上げは強制』と思い込んでいる法人なども多いのでは。東電のやり方は不親切だ」と批判している。