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請負契約 偽装を指示 大飯原発に労働者派遣 逮捕の所長認める
中日新聞  2012年1月14日【福井発】

 関西電力大飯原発おおい町)の改修工事現場に偽装請負で労働者が送り込まれていた事件で、福井、福岡両県警が職業安定法違反容疑で逮捕した「太平電業」(東京)福井地区営業所長の一瀬秀夫容疑者(58)が、偽装の指示を認める供述をしていることが十三日、分かった。
 捜査関係者によると、一瀬容疑者は違法な労働者供給事業とみられることを恐れ、同容疑で逮捕された「高田機工」(高浜町)役員の富田好容疑者(59)に請負契約の書類の作成を指示したとみられる。富田容疑者も指示されたことを認めている。
 両県警は十三日、太平電業や高田機工など八カ所を職安法違反容疑で家宅捜索した。
 両県警は、三十代の男性従業員を送り込んだ職安法違反などの容疑で、指定暴力団工藤会の関係企業「総進工業」(現ドリーム)役員、池上加奈枝容疑者(36)も逮捕している。
 太平電業の九州支店(北九州市)には二〇〇六年七月に銃弾が撃ち込まれ、総進工業と高田機工の取引は〇七年ごろ始まった。両県警は三人が知り合った経緯や、偽装請負による利益が工藤会の資金になった可能性を調べている。
原発構内 太平電業事業所を捜索
家宅捜索を終え、大飯原発を出る3台の捜査車両(奥に見えるのが右から3号機、4号機)=13日午後0時24分、おおい町関西電力大飯原発
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 おおい町大島の関電大飯原発には十三日午前九時、福井、福岡両県警の合同捜査本部の捜査員十二人が、三台の車両に分乗して正門前に到着。入構手続きを済ませ、原発構内東側にある太平電業の大飯事業所に向かい、約三時間調べて書類などを押収した。
 関西電力の広報担当者は「原発内でこのような事態が発生し、誠に遺憾。
今後、取引会社に対し、あらためて法令を順守するよう訴えてまいりたい」と話していた。